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木曽御嶽山に登る

9月24日、木曽御嶽山に登ってきました。

1日目は、ロープウエイの飯森高原駅から頂上直下の石室山荘まで。紅葉がはじまりかけており、山が色づいています。

木曽御嶽山は古くから山岳信仰の山として、多くの信者が入山しており、登山道には霊神碑があちこちに建立されていました。

そして御嶽山は、9年前の2014年9月27日の大噴火により、死者行方不明者63人という戦後最悪の火山災害を起こした活火山でもあります。

標高2800m、まるでチベットかと思うような岩の上に建つ石室山荘に到着。修験道の宿として古くからあるようです。お食事はもちろん精進料理。

 

2日目、快晴。

ご来光をしっかり拝んで、いざ、剣ヶ峰へ。

噴火警戒レベルは1ですが、当然ヘルメット着用です。石室山荘でも無料でヘルメットを貸し出していました。

岩場をガンガン登り、ほどなく頂上へ。360度の展望で、北アルプス、春に登った木曽駒ケ岳、南アルプスまでくっきり見えました。そして、南アルプスの向こうには富士山が。

頂上の神社(頂上奥社)で、噴火で犠牲になった方たちへお祈りをしました。登山者のほとんどが手を合わせています。神社のとなりにはシェルターが設置してありました。

 

さて、弊社では、9年前の噴火の1年前『災害・防災図鑑 すべての災害から命を守る』という本をつくりました(編集協力)。

この本の著者の一人である藤井敏嗣先生(当時、気象庁火山噴火予知連絡会会長)が、汗だくになりながら会見していたのを思い出します。「なぜ、噴火警戒レベルを引きあげていなかったのか?」と責められていました。

 

剣ヶ峰から八丁ダルミを通って大滝山頂へ向かいます。八丁ダルミは多くの人が亡くなった場所で、赤茶けた砂と石が延々と広がるだけ。噴石や火山灰を遮るものはほとんどありません。ここにも、かまぼこ型のシェルターが設置されていました。パトロールの人から「まだ噴火していますよ」と教えられ、ドキドキしながら通過しました。

『災害・防災図鑑』をつくったときに、最後に、「自然の恵み」という章を入れました。火山は怖く災害も招くけれど、私たちに温泉や美しい自然など多くの恵みももたらしてくれているということを伝えたかったのです。自然にはあらがえない、怖いこともたくさんある。でも、その恩恵も受けている。自然に対しておごらない、謙虚な気持ちと感謝を忘れてはならない、ということを再確認した登山でした。

 

 

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